『いばら姫またはねむり姫』
1990年/日本・チェコ/22分
監督:川本喜八郎 原作・ナレーション:岸田今日子
パペットアニメに興味が無い方でも「人形劇・三国志」や「人形劇・平家物語」は一度は目にした事があるのでは。
これはその三国志や平家物語を製作した川本喜八郎監督の作品。もちろん人形。
しかしあの人形劇の精巧さに驚嘆した人はこの作品でもまるで本当に息づいているかのような人形に圧倒される。
昨今の人形のようなグラスアイなど使っていない川本作品の人形。しかしその表情の豊かさたるや!
人形劇ではなく、パペットアニメーションならではな流麗な動き。
一つ一つのシーンすべてが印象深く。
特にラブシーンで姫の胸が呼吸で上下する動きや仰け反る姿に息を飲むほどのリアリティを感じ、感動しました。
人形たちの「演技」の素晴らしさはまさに珠玉。
ストーリーは「眠りの森の美女」の岸田今日子版。
大人のための童話です。
御伽噺は大好きなので、いろいろなバージョンの御伽噺を読んだり見たりしていますが、まぁこちらもその中であったパターンの一つ。
しかし、このパペットアニメーションという素晴らしい媒体を通した時、どのバージョンよりも大人の心に訴えかける(特に女性)作品になったのでは。
ストーリーはネタバレになるのであまり書きたくありません。
しかしこれは確かに悲恋物語だということだけを書き述べておきます。
全てを捨ててもかまわない。我を忘れるほどに相手を求める。
ふとした瞬間に訪れるその気持ちの高ぶり。
そして恋破れた時の魂の慟哭。
それら全てを乗り越えて、少女は母になる。少女の母がそうであったように。
難を言えば岸田今日子のナレーション(台詞は一切無く、ナレーション(姫の語り)だけで物語は進行します)を聞くと、どうしてもムーミンを連想してしまうことかな。
しかしそれも見続けているうちに話と映像に引き込まれ、気にならなくなります。
22分という短い時間。
その短さを全く感じさせない濃厚で充実した時間を過ごせる作品でした。
川本喜八郎 Official Web site
http://www.kihachiro.com/
名称なんかどもでもいい - 日本2
人形---------この不可思議なるもの.....川本喜八郎とイジィ・トルンカの世界
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